今日は本会議。それぞれの委員会の委員長報告と討論、採決が行われたました。提案された議案はすべて可決。日本共産党の議員団は17の議案の内6議案に反対しました。私が反対討論に立ちましたが、その内容をご紹介します。
2006年3月議会反対討論 田端範子 日本共産党御坊市議団を代表して、第14号議案、平成19年度一般会計予算を中心に、提案された17議案のうち、6議案に反対の立場で討論をおこないます。 まず、第14号議案、平成19年度一般会計予算についてです。今、格差社会やワーキングプアーなどが、大きな社会問題になっているところですが、それは、御坊市民にも大きな影響を及ぼしているところです。さらに、追い討ちをかけるように、今年は定率減税の全廃があり、これまでの老年者控除の廃止や年金控除の引き上げと併せて新たな県民税である、森林税も徴税が始まります。ますます、市民の暮らしが圧迫されることが予想されます。低所得層が増え、国民健康保険税や住民税など、払いたくても払えない方が増えてきています。そういう時だからこそ、地方自治体は低所得層を守る予算にしなければなりませんが、なりえていません。予算の中で、障害者の通所にかかる一割負担をなくしたこと、子どもたちの安全を守るために学校・幼稚園や保育所に防犯設備機器を設置すること、防災対策で、学校や公共施設の耐震診断に順次取り組まれていること、避難誘導灯の設置などは大いに評価するものです。 しかしながら、地方分権がいわれ、一定の税源委譲も行われていますが、逆に国から財源保障もないままに、国から押し付けられてくる事業も増えてきています。 ひとつは、すでに、市の防災計画や避難場所の指定など、これまで、その対策に市は努めてきているところですが、19年度予算には洪水ハザードマップや地震ハザードマップなど、コンサルに委託するような事業・計画があります。コンサルに委託しないと国からの補助金がおりない、しかも、市内には受ける業者はなく、県内あるいは、大阪の業者に委託しなければならないという点でも問題です。国の方針をそのまま受け入れるのではなく、もっと、御坊市にとって必要な災害対策を主体的に知恵をしぼって政策化し、実行に移していく営みの方が大事です。また、市が培ってきたノーハウを最大限生かせば、かなりのものができるはずだということを申し上げておきたいと思います。 ふたつめは、放課後子ども教室のような必要な事業ではあっても、押しつけという点では同様のことがいえます。放課後子ども教室の事業そのものは必要なものであると認められますが、国の方針のまま、19年度に実施しなければならないということだけが先走りになり、充分な地域との検討もされないまま、進めることには問題があります。ボランティアの協力なしに進められない事業であるだけに、充分な理解と作り上げる課程を踏まなければ、決してうまくいかないのではないかという懸念を申し添えておきます。 3点目に地域包括支援センターの運営も国の悪政の押しつけです。市長の「必要な人員配置につとめる」という答弁はおおいに評価いたしますが、地域の実態を考慮しない国の押しつけが市職員への過重労働へとはねかえり、それが住民サービスの低下へとつながらないかが心配されます。 4点目は後期高齢者医療制度の導入にあたっての予算が組み込まれていることです。この制度は、75歳以上のお年寄りすべてを否が応でも組み込ませるもので、介護保険と同様に保険料を年金からさきにむしりとる、天引きするものです。「わがらの医療費はわがらでまかないなさい。」とお年寄りを追いつめ、市町村に有無を言わせない形で広域連合をつくらせました。そのプログラムソフトの費用でさえ、国からは約1割しか補助金がおりてこないということになります。市への新たな負担と同時に将来、「年寄りは早く死んで下さい」という制度になってしまうことは目に見えています。こんなお年寄りいじめの制度には賛成できません。 次に、市独自の問題として6点述べます。 1点目は職員配置の問題です。定数を削減することは求められるものですが、必要な部署、特に現業職、専門職の職員はきちんと確保すべきです。かねてから指摘してきたことですが、幼稚園や保育所の教諭・保育士の多くが臨時職員でまかなわれてきている問題があります。臨時と言いながら常態化していますが、これは改善されなければなりません。また、消防職員ですが、18年に1名中途退職され、平成19年度は嘱託職員での対応となっていますが、これは常態化せず、45名体制を確保すべきです。また、健康福祉課においては、かねてより、慢性的な超過勤務になっていますが、今後の介護予防プランの仕事が増えることになりますから、充分な人員配置がまたれます。 2点目は商工費の問題です。予算全体の中では、商工費がわずか0,9%の予算しか措置されていません。御坊市は商業の街として発展してきた歴史がありながら、予算面でも充分とはいえず、さらに、その中味でも商工会議所や商店街の自助努力にたよりがちであり、もっと市が実態をつかみ、街を発展させる努力が必要です。 3点目は教育予算です。経費の節約をするのは当然必要で、全体としてその努力は認められるところですが、教育費の教材備品や図書費まで、1割カットの予算となっています。子どもに影響を与える大切な予算ですから、一律に一割カットを当てはめるべきではありません。 4点目は障害者の福祉タクシー券の問題です。今回見直しがされ、障害者の中から上肢障害と聴覚障害のみが排除されることになっています。福祉の心ということで言えば、一定の障害者だけ排除することは問題です。 5点目は子育て支援です。学童保育のモデル実施がようやく始められることは評価できますが、乳幼児医療費の無料化に所得制限が設けられていることから、1454名の対象者のうち、わずか33名がその対象から除外されています。所得制限の撤廃とさらなる拡大を求めるものです。 6点目は、開発公社の公有地先行依頼分取得費です。そもそも、椿山ダムの水没家屋対策として県からの要請を受けて、開発公社が市にかわって先行取得したものである以上、一般会計で買い戻すということはありうる方針です。しかし、そこに至るまで、30年以上も放置してきたことの責任はのがれられないものです。同時に、現在の開発公社のゆきづまりを深刻化させたのは、5年前に購入した駅前住宅団地用地の購入にあります。4億200万円が大きな重しとなり、今回、市がその用途も決まらないまま、買い上げなければならないところまで、追い込まれた直接的な要因となっているということを指摘しておきます。 以上の理由から、一般会計当初予算に反対するものです。 次に第16号議案、平成19年度御坊市老人保健特別会計と第17号議案、平成19年度御坊市国民健康保険特別会計には、先に申し上げた、後期高齢者医療保険制度の予算が組み込まれたもので賛成できません。第15号議案平成19年度同和対策住宅新築資金等貸し付け事業特別会計は老人保健特別会計と同様、そもそもの制度上の欠陥があり、いまだ、解決されていないということを申し添えます。 第20号議案、平成19年度御坊市介護保険特別会計予算ですが、1昨年までは、この予算には賛成してまいりました。介護保険制度そのものに反対するわけではありませんし、御坊市は先進的に進んだ取り組みをされてきたということを評価申し上げてまいりました。しかるに、昨年からはじまった2期目の計画は、それこそ国の悪政の押しつけが際だってきました。サービスを利用する人が大幅に増えてきているため、その利用を制限しようと、介護予防の制度や認定基準の見直しでサービスを受けられるひとを制限しようとしてきたのです。 同時に、昨年より保険料が値上げとなり、そのため、保険料が払えない方、滞納世帯が増えています。介護保険証がないために介護を受けられない方、いわゆる介護難民を作り出す仕組みになってきています。また、利用料が払えず、介護の利用を減らしたり、受けられない介護難民も着実に増えてきています。今後、保険料の激変緩和措置もなくなり、答弁でも示されましたが、保険料も値上げせざるをえない状況だということが予算のとりかたからもはっきり出てきています。このままでは、介護保険制度そのものが崩壊しかねない危険な状態になりつつあります。だからこそ、市としては、介護難民をつくらないためにも、生活保護にかからない低所得者への減免などの対策が必至となります。その予算も措置されるよう求めていきたいと思います。 最後に、第21号議案、平成19年度御坊市公共下水道事業特別会計です。公共下水道事業については、事業そのものは環境を守り、また、住民生活の快適さにもつながるものであることから、これまでも賛成をしてきたところですが、今回の予算案の2億8千万円の処理場建設は委託となっています。市が事業主体として、入札をおこない、設計監理を下水道事業団に委託するというのが本来の姿ではないでしょうか。ところが、提案は日本下水道事業団に入札までまかしてしまうもので、これでは、入札等の透明性がはかられるとはいえず、反対せざるをえないということを申し上げ、反対討論とします。
by tabatanoriko
| 2007-03-27 17:47
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